数日前に「今更KindleでAI生成画像集を売ってみた」という記事を投稿しましたが、今回はその第2弾です。画像集の次は「AI生成の短編小説」の出版に挑戦してみました。結果から言うと、Kindleの審査で一度ブロックされてしまい、その後タイトル・紹介文・表紙を変えて無事審査が通りました。今回はその審査対策と、原稿作成に使った「nola」、そして公式だけど使いにいツール「Kindle Create」のについてまとめます。

審査の地雷ワードとの戦い
最初は「中毒」や「依存」みたいな、ちょっと過激で引きの強いタイトル・紹介文・表紙で申請したらブロックされました。Amazonの検閲は「中毒」「監禁」「依存」といったワード、さらには「生きていけない」といった生存を否定するような表現を「不健康・不快なコンテンツ」としてフラグを立てているように思います。
そこで、小説の文章は変えずに、表に出る物だけを「ファンタジーやロマンスの枠内」に擬態させる作業を行いました。
※内容に直接的な描写はないけど、アダルトカテゴリになります。一応注意喚起。

タイトルと紹介文の書き換え戦略
審査を通すために、具体的にどのようなワードを避けて、どう言い換えたのか。 最終的に決定したタイトルは、 『異世界治癒恍惚 〜最強の聖女も不屈の女騎士も、俺の魔法の虜になってしまいました〜』 です。
まず、タイトルから「中毒」というNGワードを排除し、代わりに「恍惚(こうこつ)」という文芸的な言葉を当てました。また、サブタイトルに含まれていた「生きていけない」といった極端な依存を指すフレーズは、「虜(とりこ)になってしまいました」という、よりロマンスの文脈に近い表現に変換しています。これならAIの網をすり抜けつつ、読者には背徳感を伝えることができます。
紹介文についても、当初はかなり煽っていましたが、大層な装飾やキャラクターの台詞、そして「副作用」という薬物や医学を連想させる言葉すらすべて排除しました。最終的には、以下のようなわずか3行の極めてクリーンな表現に落ち着かせています。
「異世界で手に入れたのは、傷を癒やす魔法。 だがその魔法は、癒やすたびに心にまで熱をもたらした。 魔法に触れた聖女や女騎士たちは、次第にその温もりを求めるようになる。」
ここまでボカした方が、今のAmazon審査を無傷で通るためには安全です。
また、表紙の画像についても同様です。あまり尖った物にしない方が良いと思います。具体的に気を付けたのは、全体的に明るい配色にし、文字もピンク色ではなく暖色系に寄せて、キャラクターの表情もできる限り健全な物にしました。特定のワードだけでなく、全体のトーンを「過激なもの」から「熱を帯びたファンタジー」へスライドさせることが、再審査を通過する鍵でした。
原稿作成は「nola」で 縦書き・横書きの葛藤
今回、小説の原稿作成には「nola」という執筆ツールを使いました。
私は小説を横書きでしか読まないです。そのため、今回の本も最初から横書きで出すと決めていました。それなのに、最初は「縦書きで書きたいな」と血迷ってGoogleドキュメントからnolaに移動したため、「結局横書きにするなら最初からGoogleドキュメントで良かったのでは?」という矛盾を抱えることになりました。Googleドキュメントの方は試していませんが、もしかしたら普通に楽だったかもしれません。
ただ、結果としてnolaは書き出しからKindleCreateに読み込ませるまでの作業自体はとても楽だったので正解でした。
nolaでの具体的な作業はこんな感じです。
原稿を話数を分けてコピペしていき、段落が空いてなければ開ける作業をします。
そして、タイトルではなくその下の本文中の始めにタイトルを入れました。今回は短編なので目次は作りませんでした。nolaのタイトルは後述しますが、使いません。
本文の後には「あとがき」と「奥付」を入れました。
あとがきには、読んでくれたことへの感謝の言葉、レビューのお願い、そして自分の名前を記載。
文章の始めに「奥付」と文字を入れてから、タイトル、著者名、SNSとブログのリンク、コピーライト、そして無断転載禁止などの注意書きを詰め込みました。
原稿が完成したらnolaのエクスポート機能を使います。ここでの設定が地味に重要です。
ファイル形式は「Word(.docx)」を選択。そして「原稿タイトル」は「なし」に設定しました。今回は短編なので、短い章ごとにタイトルが不要だからです。まぁこれについては書き方のスタイルによって変わると思うので、実際に書き出された物をKindleCreateで表示して自分で見て判断して下さい。
さらに「原稿ごとにファイル生成」は「無効」にしてください。なぜなら、次に使うKindle Createは、原稿ファイルを1つしか読み込めないからです。
ちょっとイマイチな「Kindle Create」との格闘
さあ、ここからが本題です。Amazon公式が提供している電子書籍作成ソフト「Kindle Create(キンドル・クリエイト)」ですが、結論から言うと使いにくいソフトです。ネットで検索してもあまり使い方を事細かく解説したものが私には見つけられませんでした。
まず日本語設定のままだと「画像集」か「絵本」の形式しか作れません。普通のテキスト主体の小説(リフロー形式)を作ろうと思っても、選択肢が出てきません。
じゃあどうするのかというと、ソフトの言語設定を「英語」に変える必要があります。画面上の「ヘルプ」→「設定」→「言語」から「English」に設定を変更してソフトを再起動します。そうすると、「Create New」から「REFLOWABLE(リフロー型)」が選べるようになります。
※タイトルと著者名を入れてWordファイルを読み込ませた後なら、言語設定を日本語に戻しても大丈夫です。
これ以外の選択肢はコミックか絵本かよく分からない形式なので、小説を出すならこの手順を踏むしかありません。もっと良いKindle用小説作成ソフトやサービスはあると思いますが、一応これはKindle公式のソフト、今回はとりあえずそれを信じて使いました。
このリフロー形式がちょっと使いにくい。色々旧時代のソフトだなって感じがした。苦痛だったのは「画像がまともに差し込めないこと」でした。もしかしたら挿入できるのかもしれませんが、私では分かりませんでした。幸い今回は短編だったので表紙だけにしました。
この「章のタイトル」を設定した瞬間、文字がバカみたいに巨大化することがありますが、慌てずに右側のフォーマット欄からフォントサイズを小さくし、インデントやスペースの数値を「0」に書き換えれば、普通のサイズに戻せます。
形が整ったら、あとは画面右上からエクスポートして「.kpf」というファイルを出力すればKindleCreateでの作業は完了です。
今回、私は横書き(横文字)でやろうとしていたのでまだこれで形になりましたが、「縦書き(縦文字)」ができるかはちょっと分かりません。実際、検索しても縦書き小説をKindle Createで綺麗に作ったという情報は私には見つけられませんでした。この記事が、私と同じように「横書きの小説を出したい!」と思っている人の数少ない情報源になれば幸いです。
おわりに
最後に、ちょっとした読者への配慮として、小説の冒頭に「スマホやタブレットのKindleアプリで、縦スクロール(連続スクロール)にして読むための設定方法」を記載しました。
理由は単純で、私がネット小説と同じ「横書き・縦スクロール」の環境で読むのが一番好きだからです。Kindleアプリの連続スクロール設定にするだけなのですが、意外と知らない人も多いかと思い、親切心で載せておきました。外部のネット小説サイトからリンクで飛んできてくれた読者に対して、極力いつもと同じ読みやすい環境に寄せたかったという狙いもあります。
ただし下の規約について気をつける事。私は忘れてて危なかったです。
Kindle(KDPセレクト)登録時の注意
Kindleで「KDPセレクト(読み放題対象)」に登録している場合、Amazonとの独占配信契約により、内容のほとんどを外部の小説サイトやブログ等で公開することが禁止されています。
また、外部サイト側でも「宣伝のみの投稿」や「営利目的の利用」を禁止している場合が多く、両方の規約をセットで守る必要があります。
Kindle側: 登録作品を外部に載せると独占契約違反(アカウント停止リスク)
小説サイト側: 続きは有料という形や、広告リンクの掲載が禁止されていないか確認
前回の画像集の記事でも書きましたが、私のような完全な無名個人が、今更Kindleの中に本をポツンと置いたところで誰も見つけてくれません。読んでもらうには、外部のSNSや小説サイトからどうにかして人を呼んでくるしかありません。
ぶっちゃけ、私も今更Kindle出版でガチで大儲けしてやろうと思ってこんな面倒なことをしているわけではないです。3年前にちょっとやってみたかったけど、当時は出来なくて、今になって何故か急にやりたくなっただけです。
今回の記事は、そんな個人の趣味の延長線上で色々格闘した事の紹介でした。私のような素人でもなんとか形にはなるので、同じように横書き小説を出してみたい方はぜひ参考にしてみてください。
この記事が役に立った、または実際の横書き小説の仕上がりが気になった方は、ぜひこちらのリンクから本をチェックしてみてください!
WEB小説投稿サイトハーメルンにて同じ設定の短編小説を投稿しています。



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